幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

「俺達って、付き合ってるのかな?」
と、また哲生がドキッとすることを言った。
「どうなんだろ。」
それは私にもわからなかった。
でも私にはそんなこと、どうでもよかった。
お互い引き寄せられて一緒にいる。
ただそれだけで十分だと思った。
付き合ってる。
という誓約がそんなに重要なことにはどうしても思えなかった。
「薫。」
私は振り向いた。
「正式に俺と付き合って下さい。」
と哲生は言った。
「はい。」
と私は言ったら哲生はすごく喜んでいた。
付き合っても今と何一つ変わらないのに。
哲生は嬉しさのあまり私を抱きしめた。
「曖昧なのが不安だったんだ。」
と哲生は言った。
その気持ちはすごくわかる。
何か証がほしくなる。
2人の関係の証。
付き合ってる。
その証だけじゃ結局何も効力は発揮しない。
それなのに、付き合ってるってだけで自信がつくから不思議だ。
哲生がその言葉で安心するならそれでいい。