幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

拓実との時間は無駄だった?
自分にそう問いかける。
私は拓実が好きだっただけ。何も悪いことはしていない。
そう思うんだけど、
何でだろう。
胸張って言えないんだ。
そうこうしてるうちに哲生が迎えに来た。
「おはよー。」
朝から異様なテンションの高さだ。
「おはよう。何かいいことでもあった?」
と私が聞くと
「別に。」
と言った。
その「別に」もすごく楽しそうだ。
哲生のわけのわからない陽気さはほっといて、私達は家を出た。
「どこ行く?」
と哲生が聞いてくる。
「どこでもいい。」
と私が答えると
「何だか薫、元気ないね。」
と哲生は言った。
「そうかな?」
「うん。何かあった?」「別に。何もないけどな。」
何もないから暗いのかもしれない。
そう言おうとしてやめた。
行き先は哲生におまかせしたら、勝手に車は走り出した。