幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

準備をするものの結局誰も誘う人がいなかった。
友達も少ないうえにみんな家庭があって忙しそうで誘うのも気が引ける。
やっぱり哲生を誘うしかなかった。
哲生に電話をすると快くOKしてくれた。
家に迎えに来てくれるって。
私は哲生が来るまで少し家を片付けた。
片付けながら考えた。
今日は二人でどこへ行く?
買い物?映画?遊園地?哲生は何が好きなんだろう。
哲生の趣味って何も知らない。
私もここ何年か拓実に費やしてきた時間はただ夜の営みだけだったから、普通のデートがどういうものかも忘れてしまった。
哲生と私の間にはかなりの感覚の差があると思う。
本当は普通の付き合い方を知らないんだ。
哲生は慣れてるのかな。
前の彼女といっぱいデートしたのかな。
きっと二人はお似合いだったんだろうな。
誰が見ても幸せそうで。
私みたいに一人、たまに訪れる彼を待つような無駄な付き合い方はしないんだろうな。
そう思うとだんだん自分が惨めになってくる。
所詮私は前の彼女に勝つことはないんだ。