幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

私は哲生が来るのを会社の前で待っていた。
こういうのっていかにも恋人ってかんじがするよね。
って一人で盛り上がったりしていた。
すると、遠くから哲生の姿がチラチラ見える。
哲生も私を見つけて走ってきた。
「おはよう。」
息を切らしながら哲生は言った。
「走ってこなくてもよかったのに。」
と私が言うと哲生はにっこり笑った。
「お弁当作ってきたんだ。よかったら食べて。」とお弁当を差し出すと哲生はそれを受け取り素直に喜んだ。
「本当に!ありがとう。どうせなら、一緒に食べようよ。」
「嫌だよ。会社の人に知られたら恥ずかしいじゃない。このお弁当も私からって言わないでよ。」
「いいじゃん、いずれバレるよ。」
「恥ずかしいよ。すごい冷やかされるんだから。お願いだからもう少し黙ってて。」
「はぁーい。」
哲生はつまらなそうに返事をして、早足で歩き出した。
「お先。」
あれ、怒ったのかな?
ちょっと心配になった。「哲生。」
と私が呼ぶと、こっちを振り返りもせず、手を振った。
怒らせたみたい。
なんだか哲生の態度が気になった。