幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

哲生が少し落ち着いてから私は車から降りた。
これからの二人に、自分に自信がないのは私も同じだった。
もし哲生とも別れるようなら私は立ち直れないだろう。
結婚もあきらめるだろう。
結局、人の気持ちを捕まえておくことなどできないのがわかるから、どんな言葉も不安に感じるんだと思う。
一秒でもそばにいてくれるほうが安心するんだ。
好きの言葉より肌のぬくもりのほうが愛を感じるんだ。
それが誰よりもわかる。
哲生と一緒にいてあげたいけど、一緒にいると窮屈に感じるのは何でだろう。
すごく疲れる。
私は公園のベンチに座って考えていた。
これからの私のことを。
哲生を傷付けたら後悔する。
それだけはわかっていた。
わかってはいるけど、私は哲生に素直に飛び込めないでいた。