幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

哲生との夜は優しい時間が流れた。
大事な物を触れるようにそっとそっと私を抱いた。
傷つけないように、怖がらせないように。
静かに燃え、静かに尽きた。
拓実とは対象的だった。
何度も何度も覆い被さってくる拓実とは違い、私を気遣い、優しく触れる哲生の手には愛情があった。
ただ、私の体は満足していなかった。
手順から、力加減から、敏感なつぼから、すべて拓実のやり方に体が慣らされていたことを私は実感した。
哲生の横で眠る私の体は中途半端。
これからずっとこんな夜が続くのだろうか。
愛情で体も満たされる日がくるのだろうか。
拓実に抱かれたい。
私はそう思ってしまった。