幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

山崎さんの家につくと、「ほんとにいいの?」
と山崎さんは一言。
私は黙ってうなずいて、車を降りた。
山崎さんの一歩後ろをついて行った。
山崎さんが家の鍵をあけ「どうぞ。」
とドアを開けてくれた。
「お邪魔します。」
と私は家に上がる。
部屋はきれいに片付けてあった。
そうだった。彼は女のいらない男だった。
と一人思った。
「その辺に座って。」
そう言って山崎さんはキッチンのほうに向かった。
私はソファーに座る。
ゆっくり二人座れるくらいだ。
二人でここに座るのかと勝手に想像して恥ずかしくなった。
山崎さんはコーヒーを入れて持ってきてくれた。「薫ちゃん、いつも会社でコーヒー飲んでたよね。」
「よくご存知で。」
と私が言うと、
「いつも見てますから。」
と笑顔で答えた。
その笑顔が可愛く見えてくるから不思議だ。
やっぱり山崎さんは隣りに座った。
想像どおりじゃん。
と私は心の中で叫んでいた。
一人興奮していた。