幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

「俺、見合いの話があって。」
と山崎さんは話し始めた。
「親がね、勝手に決めてきたんだよ。」
「うん。」
と私はうなずいた。
「断ったほうがいいかな?」
「そんなこと、私に聞かれても…。山崎さんが良ければ受ければいいし、嫌なら止めればいいんじゃないですか。」
私は冷たく返した。
彼の優柔不断に何だか腹が立った。
私に相談してどうするというのか。私が止めてって言えば止めてくれるのか、私が受ければって言えばほいほい見合いをするのか。彼の気持ちはどうなのか。彼の気持ちがわからない。
今日は一体何なんだろう。
と思った。
「山崎さんの気持ちはどうなんですか?」
「……。」
「山崎さんの気持ちはどこにあるんですか?」
「……。」
何で何も言わないのだろう。
私はすごく不愉快になった。
「山崎さん、帰ろう。」
私は言って、立ち上がった。