幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

山崎さんが家まで迎えに来てくれた。
私は車を見て驚いた。
いつもの車じゃない。
「車、どうしたんですか?」
「買ったんだよ。」
ピカピカだ。
「助手席は最初に薫ちゃんに乗ってもらいたかったから。」
「私、初めてなんですか?」
「そうだよ、乗ってくれる?」
そう言って、助手席のドアを開けてくれた。
「喜んで。」
と私は言って、シートに座った。
新車の匂いがする。
シートやら、クッションやら、香水やら、あちこち新しくて、その助手席第一号に私が選ばれた。
その特別感がたまらなくいい。
「どこに行くんですか?」
と私が言うと
「海に行こうかな。」
と答えた。
ここ久しく海なんて見ることもなかった。
「海のある風景もきれいだよ。となりに乗ってても飽きないと思うよ。」
と山崎さんは付け足した。
「楽しみ。」
と私が言うと、山崎さんはニッコリ笑顔で返してくれた。
「さぁ、出発!」
と言って車を走らせた。