幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

「山崎さんにしたら?」同僚の咲が言った。
昼休み、一緒にパスタランチを食べに来た。
拓実のことを唯一、相談できる相手だ。
当然だが咲は拓実のことは良く思っていない。
「真面目だし、優しいし、3つ上なら年もちょうどいいじゃない。」
と咲は続ける。
「確かにルックスはいまいちだけどさ。でもそんなに不細工なわけじゃないし、そこそこ人気あるよ。」
「うん。」
私はため息がでる。
「わかってるんだけどね。彼氏ってただ横で笑ってるだけじゃないでしょ?咲は山崎さんと寝れる?」
「うん、寝れる寝れる。」
いい加減に答える。
「絶対、嘘!人事だから言えるんだよ!」
「でもさ、今のまま拓実と一緒にいて、その先に何がある?」
「……。」
何も言えない。
「薫、幸せになれないよ。」
咲の言葉が胸に突き刺さる。
「きついことだけど薫のこと心配して言ってるんだよ。わかってくれてると思うけど。」
「わかってる。わかってるから相談できるんだよ。」
私は頷きながら言った。
彼女の目は真剣だ。私を傷つけようとして言うのなら、私はこんなに彼女を必要とはしない。
私がギリギリ正常でいられるのは彼女が止めてくれるから。彼女が一緒に泣いてくれるから。