幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

とりあえず私は部屋に戻るしかなかった。
二日酔いで頭がぼうっとする。意識がずーっと遠いところにいて、何が現実かわけがわからない。
私はぼんやりテレビを見ていた。
ピンポーン
とインターホンが鳴った。
なんだか面倒で私は無視した。
今は誰にも会いたくない。ここから動きたくない。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
しつこく鳴らす。
やかましい。
全てのものがぼやけて感じるのに、このインターホンの音だけは、耳元で鳴ってるのかと言うくらい頭に響く。
くそやかましい。
しばらくして
「薫、いるんじゃん。」と声がした。
拓実か…。
何しにきたんだか、このガキは。
私は面倒くさく思った。「何?」
私はぶっきらぼうに聞く。
「あれぇ、薫、機嫌悪いの?」
拓実は言った。
「別に。」
拓実がうざい。
こんな時にちょこまかすんじゃねぇよ。
本当にタイミングの悪い男だ。
「薫、昨日のこと、怒ってるの?」
「そういう訳じゃないけど。」
「いつもクールな顔にしてんのに、珍しいのな。」
いちいち拓実に女のヒステリーを起こすだけ無駄だ。
「二日酔い。朝まで会社の人と飲んでた。」
「そいつ男?」
「男だけど。」
拓実の反応がみたかった。