「空海に食事出しに行こうか」なんて冗談で話していたら偶然出会した。
御朱印を頂いた際、窓口の方が私の左腕を見て「あと2分後にあそこですよ」とそっと教えてくれた。



毎日6:30と10:30に食事を出すらしい。
空海入定から1200年以上今尚続く儀。
1200年以上窟で経をあげ続ける空海の背中に真剣に手を合わせる大勢の人々。日本人の信仰の分厚さを垣間見れる場所。

更にもう一つビックサプライズ。
偶然にも、金剛峯寺 弘法大師の秘仏公開にも出会し、ご挨拶。





数十年に一度の公開と思いきや、なんと今回で2回目らしい。前回は空海が密教を開いて1200年の節目の年に。今回の2回目は空海誕生1250年の節目での特別開帳だという。次回はいつになるのか誰も知らない。

高野山奥之院には宗派の違う親鸞聖人の墓所も神道もクリスチャンも、なんなら日本大手企業各社の墓まで全ての墓所になっている。織田信長の墓所もある非常に賑やかな場所。
「多ジャンルのいいとこ取り」をするいかにも空海らしい懐の広い場所とも言えるが、まるで墓場の墓場。





じっとりとして薄暗く、信仰者の気と死者の気が入り混じる。
あの世とこの世の気を吸っては吐いて脈々粒々と膨らむ巨樹が、所狭しと並ぶ苔蒸す墓石、五輪塔の隙間を埋めるように無造作に立ち並んでいる。
これらは56億7000年後に降臨する弥勒菩薩をただひたすらとじっと待ている。

高野山奥の院はまるで異世界。あの世の入口そのもの。
同行者曰く、奥の院にいる間私の前髪3本だけがずっと立ってたらしい。妖怪か