先日、トルコの前にエジプトを訪れていたので、エジプト経済〜アラブの春以降とコロナパンデミックについてメモしておきます。
■お墓に住む人々
バスから外の景色を見ていると低層の小さな箱のの長屋様な家とも言えない家が並んでいるエリアがあった。
小さな箱の様な部屋には洗濯物が干されていたり、全身スカーフの女性が腰掛けていたりと、生活している様子が伺える。
「ここは、お墓なんです。お金ない人たちはお墓に暮らしているんですよ」
衝撃的だった。
ちなみに、アフリカ大陸では、アジアの様な祖先信仰や輪廻転生などの宗教的感覚はないので「幽霊」という概念もない。なので、幽霊に対しての恐怖心はない。それよりも、お墓に住まなければいけない状況の方が恐怖だ。
大通り沿いにびっしりお墓の長屋
チュニジアへ足を運んだのはコロナ前の2019年でした。チュニジアはアラブの春のきっかけになった国。行けば経済は緩やかに下降している印象でした。
昨年丸10年。その後のアラビア諸国はどうしているのかと気になり、エジプトの経済に詳しい方にインタビューしました。
■現在のエジプトは独裁政権
1805〜1952年まで150年間王政だった。
1952年軍事革命以来、大統領制の共和国政に。
民は皆民主化など楽しみにしていたが、結果軍人が牛耳る形になり、無意味な選挙ばかりになっていった。
特にバラク大統領は当初アメリカと同様8年間で退くと発言していたが、実際は30年間君臨。その他の大統領も長く君臨した。
■アラブの春以降
この様な状態が何年も続いていたので、アラブの春はアラブの国皆んな期待していた。
シリアだけはなんとか軍人ではない大統領が残っているが、チュニジア、エジプト、イエメンは特に失敗し景気の悪化が進んだ。また、リビアは国ではなくバラバラになってしまった。
しかし、オイルマネーのカタールなどリッチな湾岸国は影響を受けていない。
■失業率
失業率についてのエジプト政府の発表は13%だが、事実上40%が失業した。
中流層が50%いたが、現在は10%になり、現在60%ほどが下流層となっている。上流層は建設業やオイル事業者だけだ。
若い世代も仕事がないので、サウジへ出稼ぎに行っているそう。
ヨーロッパにはビザが降りないので行けない。エジプト人は日本もヨーロッパもビザ発行が厳しいので、サウジが受け入れ国として現在大きな窓口となっている。
「このような話をSNSやアラブ語で発信すると逮捕されるから日本語で話すね」と言ってこっそり教えてくれました。
■その他メモ
・エジプトは日本の2.7倍の面積。
・91%は砂漠。人口は1億人だが増加傾向にある。
・エジプト人の平均寿命は、男性67才、女性69才。
■エジプト経済を支えるもの
・石油業→エジプトはガソリンが安い
・貿易→地中海と紅海の間の運河通行料(1865年ころから開通)
・観光業→butテロ、コロナの影響が大きい
・アラブの春まではガソリンリッター1ポンド=7円だったが、最近は10ポンドに値上がりした。石油やガソリンが取れるのに。
・車は高い→輸入に頼っているから。
・最近は韓国の車が日本車より安くて主流。→ヒョンダイ
■エジプト年収は日本の1/4。
今は物価高で女性も仕事している。
■エジプトは男性のみ徴兵制。
1〜3年。学歴により違う。
徴兵は最終の学校を卒業してからいく。
短大は1.5年。大卒は1年のみ。
エジプト人は徴兵制反対派が多いという。
・軍事基地は砂漠にあるから過酷。
・徴兵中は給料がほとんど出ないから家族の生活が不安定になる。
・平等性もない。コネ、金持ちは楽なポジション。
この不平等さにエジプト人は納得していない。
冬休み中の子どもたち
八百屋さん
働く馬
またねー!ばいばい