そして、当日。
朝6時半起床のつもりだったが、のどの渇きで5時半に目が覚める。寝汗でぐっしょり。これで熱も下がっただろうと、水を飲んでから熱を測ったら37.8度。下がってないし!
どーするのよこれ。
再度、薬を飲んで、昼に飲む分も準備。これから寝ると寝過ごす可能性があるので、汗をかいたときのための着替えを準備して出発。
気分は悪くないが、地上2センチを歩いているような感じ。
会場到着後、駐車場で待ち合わせの7時半まで仮眠をとる。
時間になってメンバーが揃い始める。楽屋として用意してもらった部屋で、リハーサルの準備。
それにしても暑い。今日は、暑くて熱い日になりそうだ。
会場では、セッティングが着々と進む。
舞台装置、照明、音響は、KISS(神戸国際ステージサービス)さん
。その道のプロフェッショナル集団である。
8時過ぎ。
楽器の音響チェック開始。
ひとつひとつの楽器のマイクの位置、モニタリングから音量レベルまできめ細かくチェックしていく。
軽く音出しで数曲を1フレーズずつ合わせていると・・・DEPAPEPE登場!
おおお、よーし、絶対話ししてやるとか、サインもらってやるとか、雑念たっぷりでいると、演出家から、
「はーい。それじゃあ、とおし行きまーす」
こっしいのギターのリフが始まる。
・・・・・!
こ、これは、スゴイ。
これがプロの音響かよ。気持ちよすぎやー。
なんか、照明も当たってるし。サイドからのスポット、髪の毛チリチリになるくらい熱いんですけど・・・。
滝のような汗。熱のせいもあるのか、頭がボーっとしてくる。
・・・大丈夫か、俺。
ひととおり終わると、演出家からダメ出し。
「いや、正直、ここまでのレベルとは思っていなかった。かなりいいです。いいですが・・・」
① 小さくまとまりすぎ。
② グルーヴ感がない。
③ 楽しんでる様子が伝わらない。
プロの演奏に観客が惹きつけられるのは、この②、③が出来ているからであるとのこと。
そうやな、笑顔も何も、テンパってしまって失敗しないようにとだけ考えてる自分がおったなぁと反省。
この後、DEPAPEPEのリハーサルに入る。
DEPAPEPEリハ後の一幕。こっしいと三浦くんの談笑。徳岡くんは私のギターを検証中。
徳岡くんにサインしてもらって得意満面のこっしい。
もともとがファッションショーなだけに、このころからモデルさんたちが続々と到着し始める。
ひゃぁあ。
やっぱりちゃいますわ。
歩き方、立ち姿、普通にしてても目を引く。顔ちっちゃい、手足長い、腰の位置高い。
(・・・写真は、予想通りNGでした。もちろん、ファッションショーも。この点、悪しからずご了承ください)
ファッションショーのリハーサル。
歩き方、振り返り方とその位置。演出家がほんとに丁寧に指示をしていく。それをサッとやってしまうモデルさんたちにも感動。これぞ「プロ」という仕事振りを見せてもらった。
かっこよすぎ。
ピアノのえみちゃんによると、なんとかいうファッション雑誌の専属モデルもいるらしい。
こっしいは「ええ女やなぁ」と当たり前の感想を連発していた。
また、DEPAPEPEの演奏でふたりの間を通路にしてモデルさんたちが歩くコーナーがあるのだが、モデルさんが通り過ぎるときの三浦くんのうれしそーな笑顔が、もくもくとギターを弾き続ける徳岡くんと対照的でものすごく印象的だった。
11時過ぎ、やっと全体のリハが終了し、入退場の仕方まで演出家の指示がある。
あ、そうそう、今回は衣装(といってもTシャツだが。左肩の後ろにアルファベットのQをデザインしたマークがあって、けっこう着心地のいいヤツをもらった。今朝、洗濯して干してあるやつを見たら、元Tシャツはユニ○ロだった・・・)まで指定、全体を黒で統一された。
こっしいと私は、いっちゃんのアドバイスどおり、サングラスをして出ることにした。
念のために演出家に確認したら
「それでグルーヴ感が出るなら、どうぞどうぞ」
・・・微妙なコメントだったが、いいように解釈してサングラス着用と決めた。
正直、グルーヴ感ってどうやって出すのよ。出し方知ってる人、いるの?
このころ、私はすでに、ヘトヘトバテバテ、汗ぐっしょり。
熱も引いた感はあるが、ダルくて仕方ない。
薬を飲むためにお弁当を食べることにしたが、ご飯を4分の1、おかずを2,3品つまむのがやっとだった。お茶だけを500飲み干し、薬を飲んで、顔を洗って、持ってきた2枚目のTシャツに着替えをする。
あとは、本番スタンバイまで2時間半ほどあるので、失礼して休ませてもらうことに。
携帯のアラームをセットし、談話室のソファに横になった途端、落ち込むように意識がなくなった・・・。
・・・。
猛烈なのどの渇きを覚えて目を覚ますと、きっかり1時間半が経っている。携帯のアラームはまだだったが解除し、起き上がる。Tシャツは汗で湿っている。500のペットのスポーツドリンクを一気飲み。
おお、なんか、復活したぞ。
心配してくれていたみんなに復活宣言をしてから、洗面所へ行く。
冷たい水で顔を洗い、濡らして硬く絞ったタオルで身体を拭き、下着も換え、衣装に着替え、髪の毛を整えると、ふむ、気合が入ってきた。
もう大丈夫だ。
いよいよ、スタンバイ時間。緊張のファーストステージ。
全員ステージ脇の待機場所へ向かう。
待機中の写真。どうです?みんな言い顔してるでしょ?
ステージ裏で出待ち。
ちゃんとスタッフがインカムで演出家の指示を待っている。
スタッフからのゴーサイン。
効果音が流れ、暗転した客席の中心にステージが浮かび上がって見える。
そこへ向かってステージ裏から歩いてゆく。
あー、たまらん。この緊張感。
でも、なぜかみんな笑顔。
せっかくの機会、楽しもうぜ。
みんなが位置につくと、会場の音が絞られてゆく。
一瞬の静寂。
そして、こっしいのアドリブのリフからオーバー・ザ・レインボウのイントロへ。
不思議と緊張していない自分がいる。
サングラスの効果、絶大。いっちゃん、ありがとう。
1曲目のあと、簡単なMC。
あとは一気にラストまで。
楽しくてしょうがない。
初参加・えみちゃんのピアノも、NEROさん&しんちゃんのベースも、しまちゃんのパーカスも、いとうくんのドラムスも、こっしいのギターは言うに及ばず、さらに磨きのかかったあすかのフルートが高く遠く響き渡る。
気持ちよすぎ。
あっという間の20分。
でも、思えば、この20分間のために、これまでのすべての時間が集約されているんやからなー。そら濃いよなー。
環境も抜群の中で大好きな音楽を、それも400人を越える人たちの前で演奏できるなんて、ほんまに幸せです。
今回不参加のようこも彼氏と応援に来てくれていた。
観客の拍手を浴びながら、軽く手を振って引っ込む。
もちろん、いろいろと反省点はあるが、みんな満足そう。それどころか、もうちょっとやりたいなーみたいな気持ちさえある。
次の出番は、ファッションショーのフィナーレで、出演者全員でステージに出て、ローリングストーンズの「She’s a Rainbow」を演奏(といっても、我々は口パクならぬギタパク。つまり、弾いてるフリ)。曲はミキサーからアレンジしたものが流れる。
この曲、最初聴いたときは「なんじゃこれ、憶えにくっ」と思ったのだが、終わってみると、フィナーレはこの曲しかないというくらいハマっていた。
「本日出演のアーティストを紹介します」のアナウンスで、まず、DEPAPEPEのふたりが出てゆく。そして我々。いったんステージ中央で止まり、観客席に手を振ったあと、こっしいは徳岡くんの隣へ。私は、三浦くんの隣。私もこっしいもいっちゃん流「立ち」で。
メンバーが所定の位置につくと、曲が流れ始め、出演したモデルさんたちが続々と登場してくる。
ひゃー。すげー。
自分でこの場所にいることが信じられへんわ。
スリーコードのこの曲を、ノリノリでジャカジャカやりまくる。スポットが熱い。汗が吹き出てくるが、この気持ちよさはほかではとても味わえない。
拍手を浴びてステージ裏へ引き上げると、残っていたモデルさんたちから「お疲れ様でした~」と言われ、とっさに返した言葉が「あ~、お疲れ~」って・・・俺はいったい何者やねん。
・・・今考えると、あれは、おじさんがんばってるね・・・というねぎらいの言葉だったのかも・・・。
そんなこんなで怒涛のファーストステージを終え、楽屋へ戻る。
その2へ続く(下です↓)



