「いとしのヒナゴン」 重松 清 | まれすけのギター日記
- 著者: 重松 清
- タイトル: いとしのヒナゴン
子供のころの憧れや空想が、現実にとって代わられたのはいつだっただろう。
おばけ・UFO・宇宙人・ツチノコ・ネッシー・雪男・クッシー・ヒバゴン・サンタクロース。
みんなみんな、信じていることが出来なくなったのはなぜだろう。
- 信じないことが大人への切符だから?
- それとも信じてないフリをすることで、自分以外のみんなとのバランスを保ちたかったから?
中国地方の田舎町、比奈町。
そこに型破りの町長がいる。その名をイッちゃん。
- ガキ大将からヤンキー・暴走族を経て町長。白いスーツに般若のネクタイ。愛読書は矢沢永吉「成りあがり」。
- その昔、全国を騒がせた「ヒナゴン」でもう一度、町興しをと考えた町長が設けた役場の一部署「類人猿課」。
- 信子は都会での生活に疲れ帰郷、親の口利きで類人猿課に配属になる。信子の曽祖父は、30年前、ヒナゴンを目撃したが、ブームが去ると一転「うそつき」呼ばわりされたまま、この世を去った。信子は曽祖父の汚名を返上すべく仕事にとりかかる。
- ・・・しかし、町は生き残りのため周辺市町村との合併問題に揺れており、苦しい財政状況の中、町長、類人猿課への風当たりは強い。
- 逆風の中、イッちゃんと信子と、その幼馴染・同級生たちは、自分たちの未来のために、自らが「信じる」もののために、自らが愛するふるさとのために、ぶつかり合いながらも、闘いをはじめる。
キャラクターが生き生きと物語の中を闊歩する。
- これほど郷愁を誘い、鼻の奥がツンとするような、そしてあたたかく、ちょっと切ない物語があっただろうか。
疑心暗鬼になり心がささくれだったとき、人を信じられなくなったとき、気持ちがヘコんでいるとき、ちょっと1日ゆっくりと時間を取って読んで欲しい一冊。
日々に疲れ忘れかけていた何かを取り戻すきっかけになるはず。
本作は、この夏、映画になります。
- 映画「ヒナゴン」 公式ホームページ
http://www.hinagon.net/
主題歌は、ユニコーン(奥田民生)の「素晴らしい日々」。
ぴったり!

