椿山課長の七日間 | まれすけのギター日記

まれすけのギター日記

ボツボツと趣味でやっているギター。それにまつわる話や、大好きな映画、読書の話、なーんの関係もない話などをいろいろと書き連ねてみようと思っています。

著者: 浅田 次郎
タイトル: 椿山課長の七日間

今、東京出張中で、今夜は弟の所に泊まるため、弟のPCで更新作業中。


ちょっと手が出にくいタイトルだ。タイトルで間違いなく損をしている。
別に読みたいと思わないでしょ? こんなタイトル。


しかしである。来る新幹線の中でまたまた涙ぐんでしまった(実は号泣)。名手・浅田次郎が「鉄道員(ぽっぽや)」に引き続き、また一つの珠玉の作品をつむぎあげた。(2002年10月発行)



椿山課長。とあるデパートの服飾関係の現場バリバリの課長。それまでの企業戦士としての戦いの結果、ある日突然、取引先の接待中、この世を去ることになる。


あの世とこの世の境目で、かれは、思い残したさまざまな事柄に始末をつけるため、全く別人の姿を借りて7日間だけ現世に戻ることを許される。そのための条件は3つ。①制限時間の厳守、②復讐の禁止、③正体の秘匿。


そして、残された時間の中で、元テキヤの親分、交通事故で亡くなった少年とともに、椿山は自分の生きた軌跡をたどり始める。



重松清の「流星ワゴン」については、以前記事で紹介した。本書は、それと似たプロットであるが、「流星ワゴン」が死んだ父親との再会の中で主人公が自分自身を取り戻してゆく物語であるのに対し、本書は、主人公自身が死という現実を受け入れてゆく物語である点が大きく異なる。


書きすぎるとネタバレ、興ざめとなるので、多くは書かないでおくが、ラストでは、きっと多くの読者が嗚咽を禁じ得ないであろう。


この本を読まずして「泣けた本」は決して語れない。間違いない。