敵対水域  ピーター ハクソーゼン他 訳:三宅 真理 | まれすけのギター日記

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ボツボツと趣味でやっているギター。それにまつわる話や、大好きな映画、読書の話、なーんの関係もない話などをいろいろと書き連ねてみようと思っています。



著者: ピーター ハクソーゼン, R.アラン ホワイト, イーゴリ クルジン
訳: 三宅 真理
タイトル: 敵対水域

これは、1986年10月、バミューダ沖で起きた旧ソ連海軍の原子力潜水艦K-219沈没事件の記録である。


本書全体に張り詰める緊張感がスゴイ。
静けさの中、潜水艦乗組員の息遣いが聞こえるようだ。


K-219は、すでに老朽艦であり、寄港時のメンテナンスが重要であるにもかかわらず、ミサイルハッチの漏水を担当士官が報告しないまま任務に就く。
そこから引き起こされていく数々の問題。

純粋なノンフィクションとしては、乗組員の感情や言動があまりに細やかに表現されすぎていて、失格かもしれない。しかし、事実を下敷きとした再現ドラマとして読めば、こんな感動を呼ぶ話は、そうそうないであろう。

長いので、このくらいは脚色しないと、ただ事実を書き連ねるだけでは、途中で飽きてしまう。
一気読みも可能なほどのスピード感・疾走感があり、単なるノンフィクションの範疇を超えている。


加えて、特筆すべきは、訳の素晴らしさである。
だいたいが外国小説では、訳の古臭さに閉口することが多いものだが、本書の訳は、きちんと現代の日本語になっており、的確で分かりやすくテンポがいい。


こちらは映画であるが、「レッドオクトーバーを追え」「Uボート」「クリムゾンタイド」などと並ぶ潜水艦もののエンターテインメントに分類してもいいくらい。

あ、潜水艦と言えば、福井晴敏の「終戦のローレライ」が映画「ローレライ」になったなぁ。観に行きたいなぁ。


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