モダンブルース・ギターの父とも呼ばれる、ティー・ボーン(T・ボーン)・ウォーカーのアルバムは、どれもそれなりに良いものばかりです。時代とともに変化していくのは当然ですが、ファンキーにしても彼一流のスタイルがあり魅力的です。
特に、1940年代の録音での、エレクトリック・ギターのフレーズの完成度には、ただ驚くのみです。現在のブルースやロックのギタリストにも、彼のフレーズがいたるところに残っています。ビー・ビー・キング、アルバート・キングなどに代表される、アーバン・ブルース・スタイルのギターは、彼無しには生まれなかったでしょう。
チャック・ベリーのロックン・ロール・ギターも、彼のフレーズをアレンジしたものと感じます。また、常に斬新でもありながら、正確なフレージングで、「パーフェクト」と言える人です。さらには、アクロバチックなステージもできるスーパーマンのような人です。
何枚リリースされているのかはわかりませんが、同じ内容とかのアルバムに出くわしやすいので注意しましょう。10枚組くらいのボックスセットなどもあります。ハマったら、是非どうぞ。モントルーのライブなどは、ラフさがやけにカッコ良いと感じました。よくウェスト・コースト、テキサス・ジャンプ、モダン・ブルースの何々と言われますが、彼は戦後ブルースを代表する人です。(特にエレクトリック・バンド・スタイルでは超重要)
1910年5月28日テキサス州リンデン(ラグ・タイム・ピアニストのスコット・ジョプリンの育った街でも有名)の生まれです。少年時代には盲目のブルース・シンガーで、テキサス・カントリー・ブルース最初のレコードを出した事でも有名な「ブラインド・レモン・ジェファーソン」の手を引いていた事もあると言うのは有名な話です。
16 歳で「オーク・リーフ・ティーボーン」名で録音しているらしいです。30年代前半にはフォートワース(テキサス州)に移り、その後しばらくは「マ・レイニー」や「アイダ・コックス」と言った古典ブルース歌手の伴奏で腕を磨きます。1934年(38年説もあり)にウエスト・コースト(おそらくロサンゼルス)に移り、生涯をウエスト・コーストで暮らします。
29年には初レコーディングを経験したものがありますが、生年にありますように10年生まれなのか13年生まれなのかわかりませんので、はっきりした事は言えませんが、最初はテキサスでの録音と思います。
ウエスト・コーストで「レス・ハイト楽団」に加入し、「T・ボーン・ブルース」を歌い知名度を上げ、42年~44年にフレディ・スラック(Freddie Slack )楽団に加入し、キャピトル・レコードで「アイ・ガット・ア・ブレイク・ベイビー」「ミーン・オールド・ワールド」を録音します。
40 年代後半にはシカゴで「マール・ヤング楽団」「ジャック・マクヴィ楽団」などでレコーディング。誰でも知ってる「コール・イット・ストーミー・マンデイ」「T・ボーン・シャッフル」などのブルース・スタンダードとなる曲など多くの名盤を残しました。キャピトル時代と50年~55年まで在籍したインペリアル時代は一番の充実期だと思います。
ピー・ウィ・クレイトンはティー・ボーン・ウォ-カーからギターの指導を受けたと言っていますし、10歳~15歳ほど年下のロウエル・フルソン、ゲイトマウス・ブラウン、B・B・キング、アルバート・キング、アルバート・コリンズ、フェントン・ロビンソン、ジョニー・ギター・ワトソンなどの直系とも言えるブルース・マンから、オーティス・ラッシュ、フレディ・キングなどのアーバン・ブルースマン、ロックン・ロールのチャック・ベリー、その後のロックやブルースの多くのギタリストに絶大な影響を与えました。
60年代以降は渡欧して公演や録音も行なっています。晩年まで活動を続け、ジャズ、ロック、フュージョンなどの人達とも多くのセッションを行いました。75年3月16日に肺炎で亡くなりました。
モダン・ブルース・ギターの父 [Best of]
~ T.ボーン・ウォーカー
モダンブルース・ギタースタイルの創始者、ティーボーン・ウォーカーが、キャピトル・レーベルに残した名盤中の名盤である。決定的名曲<2><8><12>に影響を受けたブルースマンがどれだけ多いことだろう。戦後のブルースギタリストで、ティーボーンの曲を知らずに活動するのはほとんど不可能だ。それくらい、彼の存在は大きいのである。
そんなティーボーンだが、彼を敬愛してやまなかったB.B.キングが大成功を収めたのとは対照的に、晩年が不遇といえる状態だったのは、才能からしても残念なことだった。(永田 清)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
元祖モダン・ブルース・ギター,ティーボーン・ウォーカーのキャピトル時代の作品を集めた。この人のフレーズをパクッたことのあるギタリストは,それこそ星の数ほどいるだろう。なんたって{ストーミー・マンディ}であります。これを聴かずして何のブルース。