イメージの幾つかを限界吟味するという相互限界吟味法を創案している | ノイズのなぐさめ

ノイズのなぐさめ

歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

奈良県天理市生まれ兵庫県宝塚市、伊丹市で育つ。 1952年に京都大学法学部に入学し、1955年、同大学医学部医学科に移り1959年に卒業。ウイルス研究をしていたが、その後、病院で勤務し東大医学部附属病院分院で精神科に転向した。1975年より名古屋市立大学医学部の助教授に就任。1980年から神戸大学医学部教授。1997年に退職後は甲南大学文学部教授。阪神大震災後に設立された兵庫県こころのケアセンターの初代所長を務めた。ひょうご被害者支援センター理事長、神戸大学名誉教授、甲南大学名誉教授。専門は統合失調症の治療法研究。

表現療法に関する研究 [編集]

風景構成法 [編集]

中井が1969年に考案した風景構成法(Landscape Montage Technique)は、心理療法におけるクライエント理解の有力なツールとして、日本で独自に創案・開発されたものである。 ロールシャッハテストのような侵襲性が高いものとは異なった視点から、クライエントの現況を推察できる。

なぐり描き法、スクイグルの紹介、相互限界吟味法 [編集]

中井は精神分析学者のナウムバーグのなぐり描き法や、英国の児童精神科医であるドナルド・ウィニコットのスクイグルを日本に紹介した。また中井自身は1982年に色々な出てくるイメージの幾つかを限界吟味するという相互限界吟味法を創案している。中井が紹介したこれらの手法は日本で独自の発展を見せ、山中康裕によるMSSM法などが生まれる契機を作った。

統合失調症・PTSDの研究 [編集]

著作集の初期から中期にかけての難解とも言える統合失調症(精神分裂病)理論は、非常に高い水準に達していると評価されている。

また、米国の精神科医であるサリヴァン(H.S.Sullivan)の統合失調症理論を取り入れ、本邦の臨床場面に広く普及・浸透するのに貢献した。「関与しながらの観察(participant observation)」等の臨床家に対する箴言はその一端である。

阪神・淡路大震災(1995年)に際して被災者の心のケアにあたったことを契機に、近年では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の研究・紹介を精力的に行っており、米国の精神科医ハーマン(J.L.Herman)の「心的外傷と回復」の翻訳も行っている。

近隣領域への尽力 [編集]

中井は「治療できない病気は多くあるが、看護をできない病気はほとんどない」と述べているように、精神科医療に関わる看護師の教育にも尽力している。看護師を対象に記した『看護のための精神医学』は、看護師のみならず臨床心理士やケースワーカー等の臨床に携わる者にも多くの示唆を与えている。

ギリシャ語詩 [編集]

ラテン語や現代ギリシャ語、オランダ語にも通じた語学力を活かし、詩の翻訳やエッセイなどで文筆家としても知られている。中井は、「ヴァレリーの研究者となるか科学者、医者となるかかなり迷った」と語っている。ギリシャの詩人カヴァフィスの全詩集翻訳により読売文学賞受賞。

その他、歴史にも通暁しており、その一端は代表作『治療文化論』『西欧精神医学背景史』などでもうかがい知ることができる。

その他 [編集]

無類の軍艦好き・船舶好きでもある。子供のころから『ジェーン海軍年鑑』を読んでいたため、戦時中の日本軍の戦果発表が誇張されていることに気づいていたと語っている