現在喫緊のいくつかの大問題 | ノイズのなぐさめ

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歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

ちょっと説明しておこう。アナロジーという用語やその意味は、もともとはギリシア数学に萌芽したプロポーション(均衡)から派生した。ギリシア語の「アナロギア」ないしは「アナロゴス」は、その当初は「適正な比率に従って考える」という意味だった。
 それがプラトンによって「そこに参加する」という意味合いをおび、アリストテレスによって「そこから表現を得る」という意味合いに発展していった。そしてどうなったかというと、アナロギアは「見かけ上似ていない複数のもののあいだにある均衡」という意味になった。ここにはパルメニデスやエンペドクレスやアナクサゴラスの議論が入る。古代ギリシアはアナロジーを、「張力のある均衡」もしくは「相同律」「相似律」にまでは発展させたわけである。そこには本来のミメティズム(模倣学)が駆動していた。

『ヴィジュアル・アナロジー』バーバラ・スタフォード 松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇



伝説にさえなりつつある驚異の博識が楽しい4つの章。まずその第1章は、現在喫緊のいくつかの大問題に、著者ならではの大きな見取り図を与える。クローン化、不平等社会の法律問題、アイデンティティの政治学、複製しまくる電子、ヴァーチャル・リアリティの虚と実。それらはことごとく、「同じ」のもっときめ細かい理論の整備を要求してやまない。第2章はアナロジーと、アレゴリーなる反アナロジー両者の暗闘の歴史を見る。ロマン派を裂け目に、以後、我々が二極文化をめざすアレゴリーの時代を生きてしまっている経緯が、びっくりするほど挑発的に語られるはずだ。性愛の絆にそのモデルを見る魔術的世界から、孤絶した自動の個がつくりだすエンジニアリングの世界へという大転換の中に、スタフォードはこの分裂、分断の根をさぐり当ててみせるのが第3章である。コンピュータを使った脳研究が大いに発展中の昨今だが、記憶、感情、知性、意識をめぐる現象学的大問題は、実はこれからだ。第4章でスタフォードは、この意識をめぐる議論に深入りし、架橋/類推をそのアートフルな中核に置く人文ベースの認知科学をひとつ提案してみせる。

ヴィジュアル・アナロジー―つなぐ技術としての人間意識 (単行本)
バーバラ・マリア スタフォード (著), Barbara Maria Stafford (原著), 高山 宏 (翻訳)