『いとこベッド』を読んで驚愕 | ノイズのなぐさめ

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歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

教授  私市 保彦
所属  人文学部 欧米文化学科 (フランス文化専攻)

■略歴
昭和8年10月14日 東京都生まれ
昭和27年3月   千葉県立船橋高等学校卒業
昭和27年4月   東京大学教養学部入学
昭和31年3月   東京大学文学部フランス文学科卒業
昭和31年4月   東京大学大学院比較文学比較文化学科入学
昭和33年3月   同上卒業
昭和36年4月   和洋女子大学専任講師
昭和39年3月   同上助教授
昭和43年4月   武蔵大学経済学部助教授
昭和44年4月   武蔵大学人文学部助教授
昭和48年4月   同上教授、現在に至る

■主要著作・論文・研究活動など
「ネモ船長と青ひげ」(晶文社、昭和53年)
「幻想物語の文法」(晶文社、昭和62年 平成9年〈ちくま学芸文庫〉に所収)
「フランスの子どもの本」(白水社、平成13年)
「世界の児童文学」(亀井俊介と共編,国土社,昭和42年,『フランス児童文学』執筆)
「講座比較文学7」(共著,東大出版会,昭和49年,『空想旅行文学』執筆)
「城と眩暈」(共著、『暗黒の美学とフランス』執筆、国書刊行会,昭和57年)
「幻想空間の東西」(共著、『鏡花文学とフランス幻想文学』執筆、十月社,平成2年)
「叢書比較文学比較文化3」(共著、『日本のロビンソナード』執筆、中央公論社,平成6年)その他
TH????TRE EUROP??EN SC??NES FRAN??AIS DIALOGUE DES CULTURES(共著、MISE EN SC??NE DE HAMLET EN STYLE KABUKI 執筆、ARMATTAN,PARIS,1995)
翻訳「バルザック全集26(異国の女への手紙)」(東京創元社 昭和51年)
「フランス幻想文学傑作選(p.ボレル:狼狂シヤンパヴェール)」(白水社Uブックス 昭和58年)
ベツクフォード「ヴァテック上・下巻」(国書刊行会「バベルの図書館」平成2年)その他

■研究内容・所属学会など
 フランス文学の道にすすんだのは、十九世紀フランスの作家バルザックの『いとこベッド』を読んで驚愕したからです。その時から一貫して、バルザックを研究していますが、大学院時代に心理学者の波多野完治先生主宰のグループで小学館の「教育技術」に海外事情を連載することになり、海外の児童文学を分担したのがきっかけで以前より愛読していた児童文学研究をするようになりました。とりわけ、フランスの児童文学作家としてはジュール・ヴェルヌ、ペロー童話などを研究しています。
 さらに、大人と子どもの文学を網羅し、その境をこえるイマジネイションの世界としての幻想文学にかぎりない興味を持って踏み込んでいます。日本での幻想文学と児童文学の天才は、泉鏡花と宮沢賢治だと信じて、愛読し、研究しています。おもな所属学会は、日本フランス語フランス文学会、日本比較文学会、東大比較文学会、国際比較文学会、宮沢賢治学会などです。

■メッセージ
 なにごとも複眼をもって眺めるというのが、わたしのモットーですから、学生さんにもそれをつよく期待します。わたしのばあいは、もともと好奇心が強く、開拓精神もあったので、気がついてみると専門分野が広がっていたというわけです。しかし、「この道一筋」とか、「石の上にも十年」といわれる日本では、他の分野への越境者はしばしばマイナスイメージをあたえます。それを覚悟してのことです。むしろ、広いすそ野と広い分野から総合的な視野をもつことができるという特徴と価値を生かして、自分としてはこれからも越境者として進みたいと思っています。学生さんに同じようにしろという気はまったくありませんが、大学時代はいちばん自由に考えられる時期です。時間もまるで無限にあるように感じられます。むろん本ばかり読むのが能ではありませんが、読書をふくめ、君たちをとりまく幅広いメディアから、できるかぎりのものを吸収して下さい。それらは、いずれ君たちの心の世界で大きく成長する種なのです。種まきの時代に種をまかぬと、幹を伸ばし、枝を張り、葉を茂らせ、花を咲かせることはできません。
メッセージのおまけ
 まく種のひとつに外国語があります。なぜ外国語を学ぶかという疑問があっても、この時期に学んでカをつけておかないと、社会に出てからしばしば後悔します。いざ必要にせまられて学ぼうとしても、それには資金と時間と柔軟な頭が求められます。そして、いざという時にそれらが揃っているとはかぎりません。これは、君たちの先輩たちがいつもこぼす繰り言でもあります。大学では、やる気さえあれば金をかけずに外国語をものにする時間がとれるということを忘れぬように。もっとも、外国語習得料はじつは授業料にふくまれています。このこともくれぐれも忘れぬように。