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お父(とつ)さんからお話があつて、貫一さんもそれで得心がいけば、済む事だし、又お前が彼方(あちら)へ適つて、末々まで貫一さんの力になれば、お互の仕合(しあはせ)と云ふものだから、其処(そこ)を考へれば、貫一さんだつて……、それに男と云ふものは思切(おもひきり)が好いから、お前が心配してゐるやうなものではないよ。これなり遇(あ)はずに行くなんて、それはお前却(かへ)つて善くないから、矢張(やつぱり)逢つて、丁(ちやん)と話をして、さうして清く別れるのさ。この後とも末長く兄弟で往来(ゆきかよひ)をしなければならないのだもの。
作品名: 金色夜叉
作品名読み: こんじきやしゃ
著者名: 尾崎 紅葉