じたばたすれば拳殺(はりころ)すぞ | ノイズのなぐさめ

ノイズのなぐさめ

歪んだ美意識。
ちっぽけ 些々たる しがない
たわい無い 些末 末梢的
スマート、スィート、デンジャラス
大切なのは長く働くこと。

作家名: 幸田 露伴
作家名読み: こうだ ろはん
ローマ字表記: Koda, Rohan
生年: 1867-08-20
没年: 1947-07-30
人物について: 慶応3(1867)年7月23日(新暦8月20日)江戸下谷三枚橋横町に生まれる。本名、成行。明治18(1885)年7月、18歳の時に北海道余市の電信局に赴任。しかし、明治20年8月、文学を志すため余市を脱出。その時のことを綴ったのが『突貫紀行』。その他に『五重塔』『蒲生氏郷』などの作品がある。
「幸田露伴」
 やあ火の玉の親分か、訳がある、打捨つて置いて呉れ、と力を限り払ひ除けむと(もが)き焦燥(あせ)るを、栄螺(さゞえ)の如き拳固で鎮圧(しづ)め、ゑゝ、じたばたすれば拳殺(はりころ)すぞ、馬鹿め。親分、情無い、此所を此所を放して呉れ。馬鹿め。ゑゝ分らねへ、親分、彼奴を活しては置かれねへのだ。馬鹿野郎め、べそをかくのか、従順く仕なければ尚(まだ)打つぞ。親分酷い。馬鹿め、やかましいは、拳殺すぞ。あんまり分らねへ、親分。馬鹿め、それ打つぞ。親分。馬鹿め。放して。馬鹿め。親分。馬鹿め。放して。馬鹿め。親。馬鹿め。放(はな)。馬鹿め。お。馬鹿め馬鹿め/\/\、醜態(ざま)を見ろ、従順くなつたらう、野郎我の家へ来い、やい何様した、野郎、やあ此奴は死んだな、詰らなく弱い奴だな


『五重塔』