こんにちは、大阪校・名古屋校講師の河端です


いつもトレードの話ですが、本日は気分転換に番外編です。

今回は、ひこにゃんシリーズ6

「その日」です。


水戸の改革派は仲間が倒れながらも


水戸を脱出、江戸へ密かに向かった・・。


「井伊直弼(ひこにゃんのご先祖)を斬るために・・。」


しかし


幕府側もその情報をつかんでいる


この組織体は弱り切っていても


諜報活動だけは、衰え知らすなのだ・・


なんだか暗い組織である・・。



水戸の過激派たちが、井伊直弼(ひこにゃんのご先祖)


を狙って江戸へ向かっているとも


情報として把握している・・。



彦根藩の藩士たちも警戒を厳重にしだした。



幕府の人間は


「井伊直弼がやられたら、徳川幕府を誰も守る者はいない」


ことを肌で感じている・・。


要職の一人 松平信発(のぶおき)は


井伊直弼に


「ひこにゃん、お願いだから、供回りの武士(警護の武士)を増やしくれ」


と言うが


井伊直弼は


「どんなに危なくとも幕府の


取り決めで、登城の供回り(警護の武士)の数は決まっている」


「大老がビビッてしてその決まりは破れない


命は捨てる覚悟で働いている・・。」


と言い、申し出を断った。



「宗観院殿柳暁覚翁大居士」


これは井伊直弼の戒名である。



井伊直弼 この時すでに自分の「戒名」を自分で決めていた


死は覚悟している・・。




あまり知られていない話だが、



この時から2か月前 井伊直弼は神田見附で


水戸の脱藩浪士から


狙撃されている・・



移動中、直弼が乗る籠へ向けて、


水戸の脱藩浪士がピストルを発砲 


直弼の刀の小柄にあたった、無傷だったが、


間一髪だった。




実は井伊直弼は桜田門外の変の前に


一度襲われていたのだ・・・。




水戸の過激派から狙われるということは


十分、分かっていた。



「それなのに、猶も、猶も行く赤のか赤備えっ!!」





・・3月2日・・・



水戸の改革派の武士たちは


土蔵相模(今の北品川駅の近く)に集合


井伊直弼の襲撃の時を決める・


襲撃の日取りは 「明日・・。」


「三月三日」 上巳の節句(ひな祭りの日)


で大名は全員登城する決まりとなっていた。


そこを狙う!!



しかもその日は大名行列を見るため


見物人も多く出る日


見物人の中に紛れてしまえば、


襲撃側はカモフラージュできるのだ。



襲撃側は


「何名か?」


計画では50名集める予定だったが



18名になった・・。(他の者は水戸藩を脱出できなかった・・)




「18名?」 井伊直弼の登城の供回りは60名



「18名だと・・・」



彦根藩の隊列は約60名



それを18名で 急襲するのだ・・。



18名の内訳は


襲撃側水戸藩士は17名、後の1名は薩摩藩士である


「有村治左ヱ門(ありむらじざえもん)」 


彼ひとりが薩摩藩より加わる


実は水戸藩改革派はことがなった後で


薩摩藩が京都に上り、


暗殺は正当なことだったと・・


圧力をかけることを


薩摩藩にとり付けていた


要するに襲撃後の脱出ルートである。
(しかしこの約束は薩摩藩に裏切られる・・)



有村治左ヱ門(21歳)彼だけが薩摩藩より、


ただ一人


襲撃に加わるのである。。




3月2日  夜・・・



襲撃する水戸藩士は 水戸藩に迷惑をかけられないと


その夜全員「脱藩届」を書く


これで全員「浪人」となった!



襲撃側水戸浪士は会議を開き



作戦指揮者を 関鉄之助(せきてつのすけ)を任命する



襲撃側には関鉄之助より身分の高いものや


年長のものもいたが


作戦総指揮は彼を任命


ここでも、もう身分や家柄ではない


実力の時代に変わりつつあることがわかる。




襲撃側は失敗は許されないのだ・・。




三月三日の朝 ・・愛宕神社(現東京港区)に集合  


桜田門外へと襲撃側が進む



・・・・・・・・・・・・・



彦根藩邸ではその朝 


一通の投げ文があった


「水戸の脱藩浪士たちが本日 大老の行列を襲撃する!気を付けてください!」


井伊直弼にその文が届けられるが


井伊直弼は誰にも言わず・・。


文を机の上へ置き




いつも通りの登城の準備に入る・・。



朝8時


襲撃側は すでに桜田門外へ到着


全員配置につく・・・。



朝9時


江戸城から登城の合図の太鼓が鳴った・・。


各大名が江戸城へ登城・・


朝10時ごろ 尾張藩の行列が桜田門を通過・・




そのとき 


「ぎぎぎぎー・ぎぎぎぎーっ」


彦根藩の藩門が開いた!!


彦根藩邸の門は真っ赤である。


赤備え 藩の伝統カラー「赤」


その大きな真っ赤な門が開いたのである・・。



彦根藩の行列が門を出た・・


ザッザッザッザッ テンポよく小走りで


行列はいつも通りの歩調で進む





カチャ「鯉口を切った」


襲撃側全員 


全員震えている・・。




相手は日本ナンバーワンの男


しかも警固の武士は


日本最強と言われている彦根藩の武士


60名・・。 コチラは脱藩浪士18名。


「緊張」 「興奮」 「恐怖」 「戦慄」 


そんなもんじゃないっ!!



襲撃側全員 溢れ出すありとあらゆる感情を


抑えながら、武鑑(ぶかん・今で言うパンフレット)を持ち


見物人を装いながら、隊列が桜田門に近づくのを


待っている・・。


桜田門外の朝に


全員自分の高鳴る心臓音だけが聞こえている・・。




「ザッザッザッ ザッザッザッ」




彦根藩の隊列が



「桜田門外」へ 来た・・・。






つづく








つづく
※ここまでの1話~4話をご覧になりたい方は
カブックスHP→カワバタブログでご覧いただけます。

次回  とうとうこのお話のクライマックス「桜田門外の変」へと突入します!!