HARRISON 問題集17 | 生命医科学雑記帳

生命医科学雑記帳

evernoteのバックアップ、twitterに投下した内容のまとめとして使います。
細心の注意は払っているつもりですが、未だ専門分野を持たない研修医であるため、正確性に欠けることがあります。悪しからず。

Ⅵ-39

長期の喫煙歴を有する63歳男性が4ヶ月前からの進行する息切れと労作時呼吸困難を主訴に受診した。症状の進行は緩徐で、最近において増悪は見られない。発熱、胸痛、血痰はないという。毎日大さじ3-6杯の黄色の痰を伴う咳をする。10年以上受診したことはないという。身体診察においては、バイタルサインは正常であるが、呼気延長、scattered rhonchi、頸静脈拍動部位の上昇、軽度の足の浮腫が見られた。ヘマトクリットは49%である。患者の生命予後を延長するのに適した治療は次のうちどれか?

A. アテノロール

B. エナラプリル

C. 酸素

D. プレドニゾン

E. テオフィリン

 

 

 

 

 

 

COPD患者の予後を改善することが示されている治療法は禁煙や安静時低酸素症を認める患者に行う酸素投与、ごく少数の適切に選択された患者に行う肺容量減少手術である。この患者は、頸静脈拍動部位の上昇、足の浮腫、ヘマトクリットの上昇より、おそらく低酸素血症をきたしている。テオフィリンは気管支拡張以外の作用により、COPD患者の運動耐容能を上げることが示されている。経口のグルココルチコイドは急性増悪がない限り推奨されず、雑然と使用すると合併症を起こす可能性がある。アテノロールやエナラプリルはCOPD治療において何の役割も果たさないが、高血圧や心血管疾患が随伴した場合はよく使用される。

答. C