西川口に来て4年。週末の早朝はいつも同じ公園の同じ場所で太極拳をやってます。

ベンチに水や練習用の扇を置くからいつも同じ場所。

なのでよく遠巻きに見られています。

ベンチに以前飲料のペットボトルが置いてありました。

これは僕のファンが差し入れてくれたのかと思いましたが、ちょっとの風で飛んで行ったので単なるゴミでした。

 

今日は鍵が置いてあります。

誰が?何のために?

 

太極拳の練習を始めるとどこからか、声が聞こえてきます。女性だ。若い。中国語訛りの日本語です。

「いつもあなたの太極拳をみるのが週末の楽しみです。ねえ、私のうちに来てゆっくりお話ししませんか?気にする必要ありませんよ。私一人暮らしだから。ちょうど粽が蒸しあがってますよ。プーアル茶も用意しますね。」

 

誰だろう。太極拳をしながら周りを見渡します。

また声が聞こえてきた。今度は男だ。英語だ!

「(日本語訳)やあ、おはよう!僕はバドだよ!このアパートの鍵を貸すから使ってくれよ。何にって?へへへ。あんたが愛人とあう際にホテルを使うのはわかっているさ。でもお金かかるだろ?だからこのアパートでご機嫌な時間を過ごしなよ。あ!次の昇格人事には必ず僕をリストに入れてくれよな!」

 

また周りを見る。どこにバドがいる?さっきの女性の声とぐるなのか?

僕は怖くなったので練習を終えて鍵には触れず、帰宅しました。