カウンターでゆっくり食べているとマグロの切り身が僕を誘惑します。

ねえ、親方。このマグロのこの部分とこの部分をお願いします。

「あいよ!」

うん、美味しいねえ。親方。これはどこのマグロ?

「これは、ですね。アイルランド沖」

へえ、初めて食べたよ。てっきり国産かと思った。

「マグロはねえ、結局どこで釣れるかではなく、どう釣って処理するかなんすよ」

ほお?

たとえ大間の本マグロでも処理が悪いとすぐに身が崩れちゃうし、悪くなっちゃう。このマグロはしっかり処理できてるね。」

なるほど、大事なのは出身でなくその後、どう努力するかだね。会社員もそうだ。こりゃあ、耳が痛い。

「そう、出身なんてね。」

あ!でもアイルランドマグロでしょ!だからハイボールに合うんですよね?

「知りません・・・」