会議に出ていて、飛び交う単語を聞きながらこの言葉はどんな経緯で産まれたのか?と思いをはせていました。

日本語はよく省略語を好み時と共に新しいものが生まれてきます。マクドナルドをマックもしくはマクドと言ったり、プレミアムモルツをプレモルと言ったり、最近の省略語で秀逸だと感じたのは「竜とそばかすの姫」が「竜そば」。何かお腹が減りそうです。休日天気の良い日に朝からベランダで飲むシャンパンは最高ですがこれを「朝シャン」と言います。

省略して意味が分からなくなってはその目的が達せられないので識別性が高く、分かりやすいものだけが淘汰されるのでしょう。識別性で言えば固有名詞の一部や数字が高いと思います。。

ロミオとジュリエットが「ロメジュリ」。これを「ミオエット」にしたら何のことかわかりません。今気が付きましたが母音の変化もあります。ロミジュリではないですね。また識別性が高い単語があれば数値は要りません。なのでベートーヴェンの交響曲第6番は「ベト6」でなく「田園」で通じます。

 

さて、会議で話していて唸ったのが「レプレ」。リストのLes Préludesです。Lesは複数形の定冠詞、Préludesは前奏曲です。

定冠詞に識別性は低くあまり省略語には使いません。ザ・ドリフターズは「ドリフ」であり「ザドリ」とは言いません。Préludesも一般の名詞なので他の曲と識別する力は弱いです。なので「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲も「歌前」とか聞いたことありません。(存在していたらすみません)

なので「リスプレ」とか「前リス」という省略語が出にくかったのだと思います。そこで注目されるのが、この名前は複数形だという事。発音こそフランス語なのでプレリュードとそれだけ聞いたら単数なのか複数なのか分からないのでLesをつけてます。これが通常排他的な意味をなさない定冠詞とそれに続く一般名詞をわせて「レプレ」という識別性の低い単語を合わせて強烈な識別性に昇華した珍しい省略語の用法が生まれたのだと思います。

 

さて、決まりました!春日部交響楽団(春響 はるきょう)第30回定期演奏会はレプレ、ロメジュリ、田園です。

来年528日に向けての楽しみが増えました!