ネットでこの本を発見させていただき、すぐにぽちっとさせて頂きました。最近の言葉遣いにはなんでもかんでも「させていただく」という言い回しが氾濫しており自分はその言葉を聞かせていだたくごとにイラっと感じさせていただき、「おいおい、言葉の遣い方知らないね君は」と思わさせていただいていました。

が、この本を読ませていただき、かなり自分でもスッキリとした気分を感じさせていただきました。

要は敬意漸減の法則により敬意がインフレを起こすという事を学ばせていただきました。つまり敬語は使うほどにその敬意が薄れ次第にもりもりな単語になるという事と理解させていただきました。本来「させていただく」には相手に許可を求める「使役性」とそこから自分の利益につながる「恩恵性」を伴った言葉ですが、15世紀からこうした敬語が進化し、先の敬意漸減を経て著者の実験によるともはや「恩恵性」は影響していないという事を学ばせていただきました。つまり「させていただく」は相手に向けて敬意を向ける「謙譲語」ではなく、相手との距離感を保ち自分の丁寧さを表す「丁重語」であると本文から引用させていただきます。この丁重語はこの丁重語というのは敬語の3種(尊敬語、謙譲語、丁寧語)に加え新たに追加された2つの分類(丁重語、美化語)という事も引用させていただきます。こうして他人との距離感を図り自分を丁寧に伝える「させていただく」も本書によると既に敬意漸減が始まっており、最近では「させていただきますね」と「ね」をつけて話す兆候があるそうです。この本を読んで言葉というのは常に変化しているのだなあという感想を持たせていただきました。日本語学習者が「ニホンゴ、メンドクサイ」と学習をあきらめないか心配させていただき、読後感想をアップさせていただきます。