9:30の診察の予約だったけど30分遅れ。
相変わらず世の中の時間の流れとは無縁な表情。
メガネをかけてはいるが処方箋を書くときはそれが邪魔らしい。下にずり下げて顔を上げて上から覗き込むような姿勢は変わらない。
「はい、手首見せて。うん。漢方はね、手首と舌を見て体調判断するよ。後は患者さんからのお話ね。もちろん、西洋医学からみたら情報足りないかもだけど、我々は何千年もこうやって測ってきて良いことだけ残ったね。(一体先生何才なんだ?)
手首でね、脈を測るよ。スピード、強さ、リズム。指を三本置くは(手首に近い方から)心臓、肝臓、腎臓。右腕は肺、脾臓、腎臓がわかるよ。あなたの右腕であなたの奥さんの体調までわかるよ。」
頭の中からクエスチョンマークがどんどん湧いてきて部屋中に浮いてきた。
独特の話し方に引きずり込まされていく。
漢方医の話は東洋医学が最近注目を浴びていること、そして何千年も前から東洋の文化は優れていて0、1の理論もアインシュタインの相対性理論もすでに以前からわかっていた、とまで飛躍していった。
また処方箋にまるで書道家が書くような芸術的(?)な文字で薬品名をを書き始める。
お、また新しいお薬ですか?
「ううん、前回書いた処方箋読みにくいって言われたね。だから今回書きなおしているの。薬は前と同じね。そう、漢方薬は野菜は木の根がおもね。もちろん、動物の角とか骨とかあるよ。でも私は使わない。ベジタリアンだから。」
頭から湧いたクエスチョンマークは診察室に置いたまま次回の薬にも期待して僕は病院を後にした。