クリスマスになると欠席が多い。
特にヨーロッパ、アメリカなどからの留学生は国に帰ったりパーティをしたりで忙しい。
「明日はクリスマスなので休みます。」という単純明快で突っ込みようのない理由を老師に告げるフランス人。
うん。休めるときに休んだ方がいいよ。
仕事になると休みたくても休めないし。
10年前の今日。。。聞いた話ですが。。
パリは16区の病院。
クリスマス気分でなんとなく穏やかな雰囲気のその病院に日本人の夫婦が来ました。
かかりつけの医者の指示で急きょ入院。
奥さんが出産とのことです。
前もって連絡が行っていたのかてきぱきと入院手続きがすみ、手術室へ。
手術室も万全の準備がされていましたが、看護師さんたちは皆不機嫌でした。
「せっかくのクリスマスイブで彼氏と予定していたのがこの出産で。。。」
というような声も聞こえたり、チッと舌打ちする看護師も。
日本人夫婦はこんな時期に来て大変申しわけなく気まずい思いをしましたが日を改めるわけにもいきません。
語学に不安のある奥さんについていった旦那はそのまま出産に立ち会う予定です。
奥さんが処置台に寝かされていると、旦那は「立会」を希望したい、と言う前に病院側が旦那に全身を白い割烹着のような服を着せて、さらに靴の上をビニール袋で厳重に覆いました。
雪だるまをビニールで包んような風貌です。その恰好で手術室に入りました。
奥さんの背中に麻酔。フランスでは無痛分娩です。
夕方からじりじりと時間がたちます。
奥さんが不安な中、旦那はこの時とばかりに長編小説を何冊も鞄からだし、読みふけってました。
日付が変わって25日になって少ししてから、それは始りました。
控室からこんなにいたの?と思うくらい医師数名が飛び出し、あっという間に出産が終わりました。
日本語で「オメデトウゴザイマス」と言われ大仕事が終わった奥さんはぐったりと。。
旦那は別室に連れて行かれお湯で洗った赤ちゃんを看護師が身長、体重を計測するのを確認し、
出産証明書を書くのを見守ります。
最後に看護師から「赤ちゃんの名前は?」と聞かれ用意していた名前を告げスペルを言います。
フランスでは出産時に名前を決めておかないといけないのです。
名前を告げること、それがこの旦那が父親になり初めての仕事でした。
無事に出産が終わった深夜。看護師さんたちはすぐに帰宅です。
彼氏の家に行く人、パーティに途中から参加する人様々でした。
父親になったその日本人は「立ち入り禁止」と書いてある医者たちの控室に行き、入りました。
「皆さんクリスマスの日にありがとうござました。どうか、今夜はこれからゆっくりシャンパンでも。。。」
と言いかけて部屋の中を見たらすでに空になっている何本ものシャンパンの瓶が転がってました。
仕事中に飲んでたな!!