オッペンハイマー
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世界初の原子爆弾の開発に成功した「原爆の父」こと、理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの伝記映画です。主演はキリアン・マーフィー、共演はエミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー他。
全てが予想通り。
確かに映画としてよくできているし、海外で高く評価されているのも納得。
あれだけ高度な物理学や複雑な政治的駆け引きという「難しい」内容を1本の映画にまとめ上げ、そこに「科学者の倫理、責任」といったテーマをしっかりと盛り込んで、最終的に「娯楽映画」としても楽しめるように仕上げているんですから。
が、被爆国で生まれ育った人間としては、予想通り「けっ!!」としか思えず。
原爆の恐ろしさについてそれなりに描いてはいるものの、アメリカの観客を意識してオブラートに包んだ描写しかできていない…。これでは登場人物たちがどんなに「恐ろしい」と言っても、観客、特に海外の保守層には「破壊力の強い爆弾」にしか見えないでしょう。
そして、どんなにオッペンハイマーの「不遇」を描いても、原爆によって殺された人々や、放射線被害で死ぬまで苦しんだ人々の悲劇に比べれば屁でもないんですから。
この映画そのものには価値があると思いますが、これだけで原爆を分かった気にだけはならないで欲しいです。それに尽きます。