「怪物」('23) | Marc のぷーたろー日記

「怪物」('23)

 

母親と暮らす小学生の息子の周囲で続く不審な出来事を通じて、現代人それぞれの心に潜む「怪物」に迫った、是枝裕和監督によるドラマ映画です。出演は安藤サクラさん、永山瑛太さん、黒川想矢さん、柊木陽太さん、高畑充希さん、角田晃広さん、中村獅童さん、田中裕子さん他。

 

Wikipedia「怪物 (2023年の映画)」

 

第76回カンヌ国際映画祭でクィア・パルム賞を受賞した作品ですが、その一方でクィア当事者からは問題点を指摘された本作。そのクィアの要素を除けば、同じ出来事を複数の視点から描く、いわゆる「羅生門」構造を持った作品としての出来は素晴らしいです。人間がいかに自分に都合よく物事をとらえ、記憶する生き物であるかがよくわかります。同じカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したのも納得。

 

ただ、クィアの描き方に関しては、この映画が20年以上前に作られた作品なら問題視されることはなかったと思うのですが、2020年代の今の時代に作られた映画としては確かに難あり。少なくとも子供たちに間違ったメッセージを送る可能性の高い作品ではあります。そんな、クィアの描き方に問題のある作品がどうしてクィア・パルム賞を受賞できたのか、それが不思議でなりません。

 

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