「宗方姉妹」('50) | Marc のぷーたろー日記

「宗方姉妹」('50)

 

小津安二郎監督が松竹を初めて離れ、新東宝で撮った作品で、大佛次郎さんの同名小説を原作とし、伝統的な価値観を尊ぶ姉と今を謳歌する妹を中心に起こる悲劇を描いた文芸映画です。主演は田中絹代さん、高峰秀子さん、共演は高杉早苗さん、上原謙さん、山村聰さん、笠智衆さん他。

 

Wikipedia「宗方姉妹」

 

1950年の時代背景を考えると、なるほどと思える部分はありますし、「メロドラマ」としても、さすがに今の感覚で観ると相当に古臭いですが、悪くはないです。

 

ただ、妹のキャラクターがどうしても受け付けず…。

 

言ってることは正論だし、現代的な価値観を持っている人物として、本来は感情移入しやすいはずのキャラクターなのですが、くどいほど自分のことを名前で呼び続けるなど、細かいところがあざとくて、おじさんが妄想で描いたキャラクターにしか見えないのです。

 

演じる高峰秀子さん本人は魅力的だし、こういう「わざとらしいキャラクター」もそつなく演じていてさすがだとは思いますが、現実味のないキャラクター造形が最後まで大きな壁となって物語に全く入り込めませんでした…。