aftersun/アフターサン
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11歳の少女が夏休みに観光地で父親と2人だけで過ごすさまを、20年後に大人になった彼女が、かつて自ら撮影したビデオ映像で回想する形で描いたドラマ映画です。出演はポール・メスカル、フランキー・コリオ、セリア・ロールソン=ホール他。
はっきり言ってしまうと、わかりやすく「感動」させてくれるような面白さはありません。
ただ淡々と、若い父親と娘のひと夏のバカンスを撮しているだけで、何の説明もないまま終了。
「物語」の体を成していないので、観終わった後に「で?」と戸惑ってしまう人も多いはず。
それでも最後まで飽きることなく観ることができてしまう不思議な映画。
一見すると幸せそうに見える父と娘なのに、常に不穏な空気をまとっていて、若く未熟な父親の不安定さがところどころで観ている側にひっかかりを与え、不安にさせていく…。一種のスリラー映画のような雰囲気を感じつつも、次第に映画の中では全く描かれていない「その後の悲劇」が明確に想像できてしまい、その行間を考えれば考えるほど胸を締め付けられるような切ない気持ちに…。
そして何より印象的なのは、本作の演技でアカデミー主演男優賞にノミネートされた、1996年生まれのアイルランド人俳優ポール・メスカル。31歳になろうとしている若い父親を撮影当時25歳くらいだった彼が演じているわけですが、その繊細な演技と卓越した存在感は見事。
古風なルックスなので古代ローマの衣装が似合いそうと思っていたら、アカデミー作品賞などを受賞した映画「グラディエーター」('00) の続編に主演することが決まっているそうで、ここ数年で急速に評価を高めている彼の今後が楽しみでなりません。