「シャイロックの子供たち」('23) | Marc のぷーたろー日記

「シャイロックの子供たち」('23)

 

池井戸潤さんの同名小説を原作とし、銀行の支店で起きた現金紛失事件をきっかけに、メガバンクの巨大な闇が暴かれるまでを描いたミステリードラマ映画です。主演は阿部サダヲさん、共演は上戸彩さん、玉森裕太さん、柳葉敏郎さん、杉本哲太さん、佐藤隆太さん、柄本明さん、橋爪功さん、佐々木蔵之介さん他。

 

Wikipedia「シャイロックの子供たち」

 

原作は未読ですが、WOWOWのテレビドラマ版は観ています。

 

あらかじめ原作ともドラマとも違う構成の作品であると聞いていたので、その違いを楽しもうと思って観てみました。

 

なるほど。

 

現金紛失事件や不正融資の謎解き部分については、視点を変え、最初からネタバレすることでミステリ要素を削除。また主人公の失踪事件も全て削除。

 

その上で銀行という組織の闇を全面に出し、終盤は同じ池井戸潤さんの「半沢直樹」シリーズのような「痛快な逆転劇」に持っていこうとしたアイデアは悪くないと思います。キャストも豪華で、WOWOWのドラマ版よりも年齢を上げたことで重厚感も出ていますし。

 

が、映画として全然面白くない。

 

この題材、この構成なら、もっと面白くできたんじゃないかなぁ…。

 

決してバッドエンドではないし、むしろハッピーエンドだと思うのですが、痛快さが全くなく、「サラリーマンの悲哀」を全面に出し過ぎたために必要以上に湿っぽく、たとえそれが作り手の意図通りだとしても、それが本当に今の観客に求められているものかというと、「それは違う」と言いたくなります。