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革新的なファイル共有ソフト「Winny」を開発しながら、違法ファイルの蔓延を幇助した罪に問われたプログラマー、金子勇氏を描いた実録社会派ドラマ映画です。主演は東出昌大さん、共演は三浦貴大さん、皆川猿時さん、和田正人さん、吉田羊さん、吹越満さん、吉岡秀隆さん他。
映画としてはとても良くできていると思います。
壇弁護士をはじめとする関係者が、若くして亡くなった金子氏の名誉を挽回し、彼の人となりを1人でも多くの人に知ってもらいたいという強い意志で作られた映画であることがよくわかります。警察の内部不正の問題もうまく絡めていますし。
そもそも金子氏を「幇助」という極めて曖昧な罪で逮捕・起訴した警察と検察は愚か者の悪党としか言いようがないし、有罪判決を下した裁判官は即刻罷免すべき能無し。最高裁で無罪判決が出たのは当然であり、日本の司法がまだ「まとも」なものであることを示したという意味でも本当に良かったと思います。
その一方で、確かに金子氏は法的には無罪ですが、「明らかに欠陥のあるソフトウェアを配布し続けた」ことに対する道義的責任は問われて然るべき。このあたりを本作では完全に無視しているわけではありませんが、ぼやかしてしまっていることに(それがこの映画の趣旨に反するので仕方ないとわかってはいても)当時を知る者としてモヤモヤしてしまった人は少なくないはずです。そこがちょっと残念。