「弟とアンドロイドと僕」('22) | Marc のぷーたろー日記

「弟とアンドロイドと僕」('22)

 

大学で教員として働きながら、密かに自分とそっくりのアンドロイドの開発に情熱を傾ける孤独なロボット工学者の日常を描いた人間ドラマです。主演は豊川悦司さん、共演は安藤政信さん、風祭ゆきさん、本田博太郎さん、片山友希さん、吉澤健さん他。

 

阪本順治監督が豊川悦司さんを想定して脚本を執筆しただけあって、役へのハマり具合は文句なし。彼が持つ独特の「生身の人間離れした気持ち悪さ」が存分に活かされています。

 

また、意識的に現実味を廃し、SFというよりオカルトホラーのような雰囲気で描くことで、特異で現実離れした登場人物たちの存在を観ている側が許容できるようにしているのも印象的。

 

さらに、どのシーンのどのカットを取っても構図が決まっていて、深みのある色調と合わせて「動く絵画」のような趣。

 

本来は小説で描いた方がふさわしい物語を敢えて映像で表現した「気概」は強く感じます。

 

が、純粋に1本の映画として「面白いか?」と訊かれれば、面白くなくはないけれど、積極的に他人に勧めたくなるほどの面白さはないという感じ。僕は嫌いじゃないですけど。