「ファーザー」('20) | Marc のぷーたろー日記

「ファーザー」('20)

 

認知症によって過去の記憶と目の前の現実の境界線が曖昧になってしまった老人を描いた人間ドラマです。主演はアンソニー・ホプキンス、共演はオリヴィア・コールマン、マーク・ゲイティス、ルーファス・シーウェル、イモジェン・プーツ、オリヴィア・ウィリアムズ他。アンソニー・ホプキンスが第93回アカデミー賞で主演男優賞を受賞しています。

 

Wikipedia「ファーザー (映画)」

 

切なく悲しい話ではありますが、同時にとても怖い話。

 

認知症を題材にした作品は世の中に溢れていますが、その多くは認知症の人物を周囲の健常者の視点から描いています。それに対して本作は基本的に認知症の人物の視点から描かれており、認知症の人々に周囲がどのように見えているかを疑似体験できるのです。

 

これだけ不条理な世界に見えていれば被害妄想にとらわれてしまうのも当然だし、これは本当に恐ろしい…。

 

アンソニー・ホプキンスの説得力のある演技もあり、観ていて本当に辛いのですが、高齢の親族がいる人はもちろん、これから高齢者になる全ての人が観るべき映画でしょう。