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400円
母に家出されたある一家の悲劇を描いた小津安二郎監督による人間ドラマです。出演は原節子さん、有馬稲子さん、笠智衆さん、山田五十鈴さん、信欣三さん、田浦正巳さん他。
ジェームズ・ディーンの出世作「エデンの東」('55) の小津的翻案とも言われているそうですが、キャラクターもストーリーも大幅に変えてはあるものの、確かにエッセンスは残っています。
が、とにかく重苦しい話でしんどかったなぁ…。
ヒロインの最終的な決断も、幼い娘のことを考えてのこととは言え、相性の悪い夫婦が娘のためだけに夫婦という形を維持するのは娘にとって必ずしもいいこととは言えないですし。
小津作品には「死」の影が漂っていることが多いですが、この作品は「漂う」レベルを超えて、「死」そのものを描いていて、それが他の小津作品と違うテイストになっているのでしょう。ただ、それが映画としての出来を高めているかと言われると微妙。正直なことを言えば、2度3度と観たい映画ではないです。