「おおかみこどもの雨と雪」('12) | Marc のぷーたろー日記

「おおかみこどもの雨と雪」('12)

おおかみこどもの雨と雪(本編1枚+特典ディスクDVD1枚)/宮崎あおい,大沢たかお,菅原文太

¥5,040
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「おおかみおとこ」との間に2人の「おおかみこども」を生んだ女性とその子供たちとの絆を描いたファミリー・ファンタジー・アニメです。監督は細田守さん、声の出演は宮﨑あおいさん、大沢たかおさん、黒木華さん、西井幸人さん他。

Wikipedia「おおかみこどもの雨と雪」

細田作品では、「時をかける少女」('06) は大好きなのですが、そのせいで期待が大きくなり過ぎてしまった「サマーウォーズ」('09) が微妙に期待はずれだったので、本作にはあまり興味を抱けませんでした。そんなわけで積極的に観たいとは思わなかったのですが、機会があったので観てみました。


いい映画です。

いつもながら人物の描写が丁寧で繊細で、終盤の教室でのシーンをはじめ、映像としての見せ方も美しく、完成度はかなり高いです。

ただ、人物の描写が丁寧な反面、世界観の構築が少々雑なせいで、些末なことがどうしても気になってしまい、作品世界に入り込めなかったのです。例えば、一番分かりやすいものを挙げると、10歳の就学児童がいきなり親元からいなくなったら、近所の人はもちろん、学校も児童相談所も相当に不審に思うはずですが、その後、主人公はどうやって「ごまかした」のか、気になって気になって仕方ないのです。親による児童虐待が問題になっている今の日本を舞台にしている以上、こういう細かいところが観ていて気にならないような描き方をして欲しいです。もちろん、「ファンタジーなんだから、そんな不粋なことを言うな」と言われればその通りで、自分でも分かっているのですが、そういう些末なことへの配慮は特にファンタジーだからこそ必要だと思うのです。

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