「みなさん、さようなら」('12) | Marc のぷーたろー日記

「みなさん、さようなら」('12)

みなさん、さようなら [DVD]/濱田 岳,倉科カナ,永山絢斗

¥3,990
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12歳の時に団地の中だけで生きていくことを決めた少年が、団地の敷地内だけで成長する姿を描いた久保寺健彦さんの同名小説を、中村義洋監督と濱田岳さんのコンビで映画化した作品です。共演は倉科カナさん、永山絢斗さん、波瑠さん、田中圭さん、ベンガルさん、大塚寧々さん他。


この映画の撮影時点でとっくに二十歳を過ぎていて、しかも妻子持ちである濱田岳さんが12歳から30歳近くまでを1人で演じるという本作。さすがに12歳のシーンは無理がありましたが、彼が本来持っている「大人か子供か分からない」独特の個性が活かされていますし、17年の時間変化(=成長)をきちんと演技で表現しているあたりは流石。終盤の「泣かせる」芝居も惹き付けるものがあります。

ただ、物語としてはちょっと無理があって現実味に乏しかったかなという気も。もちろん、個々のエピソードはいずれも現実にありえる話だし、背景にある寂れた団地の現実もシビアでリアル。ところが、残酷な事件を目の前で見てしまったことによるトラウマで団地から出られなくなってしまった主人公のキャラクター造形がピンと来ないのです。「ありえない」とまでは言わないまでも、すんなりと受け入れられる(共感できる)キャラクターではなくて、最後まで馴染めなったのです。

それでも、主人公の年齢設定(昭和43年生)が自分と近いこともあって、いろいろと「懐かしい」と思える部分があったのは良かったです (^^)