「赤線基地」('53) | Marc のぷーたろー日記

「赤線基地」('53)

米軍基地問題をその影響下で生きる人々の目線で描いた問題作です。主演は三國連太郎さん、共演は根岸明美さん、中北千枝子さん、金子信雄さん他。反米的として一時上映見送りになったこともある作品です。

Wikipedia「赤線基地」

実に観応えがありました。

60年も前に、今も続く米軍基地問題の本質を突いた映画が既にあったことに驚きを感じます。

もちろん、当時と今とでは違う部分もありますが、米軍基地の存在を疎ましく思いつつも、その存在無くして生活が成り立たない現実との狭間で、「折り合いを付けている」人々の姿は今も変わらないのです。

一見の価値は間違いなくあります。

ところで、三國連太郎さんの若い頃は写真でしか見たことがなかったのですが、今回、初めて映像で演技を観て、その存在感に強いインパクトを受けました。日本人離れしたはっきりした顔立ちと高い身長で、間違いなく「二枚目」なのですが、アクが強いので悪役や影のある役に向いたルックス。それが本作では生真面目な青年を演じているので若干の違和感はありましたが、一度観れば忘れられない強烈な存在感はまさに大スターの輝き。三國さんに対しては「スター」と言うよりは「役者」というイメージでしたが、若い頃はまごうことなき「スター」であったことがよく分かりました。

他にも、三國さんの弟を演じた金子信雄さんにもビックリ。強面の悪役イメージしかなかったので、若い頃にこんな普通の青年を演じていたなんて思ってもみませんでした。あまりに「普通」なので、最初はこれが金子信雄さんとは全く気付きませんでした (^^;;;