「CUT」('11) | Marc のぷーたろー日記

「CUT」('11)

CUT [DVD]/西島秀俊,常盤貴子,菅田俊
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借金返済のために「殴られ屋」となった売れない映画監督の姿を映画愛を通して描いた人間ドラマです。主演は西島秀俊さん、共演は常盤貴子さん、菅田俊さん、でんでんさん、笹野高史さん他。イランの名匠アミール・ナデリ監督が西島秀俊さんと意気投合し、制作に至った異色作です。


この手の「映画愛」を題材にした映画は基本的に好きなんですが、この映画はどうしても好きになれませんでした。

理由は、主人公に対して共感以前に嫌悪感しか抱けなかったから。映画や演劇に携わる人間にありがちな、中二病的頭でっかちな傲慢さが、僕にとっては「愛すべき」レベルではなく、鼻持ちならないものでしかなかったのです。この主人公に対しては「お前、本当に映画というものを分かってんの?」としか言いようがありません。

また、「殴られ屋」となる経緯も、それにこだわり続ける主人公の言動も、「物語的理屈」では分かりますが、現実味がなく、説得力のあるものになっているとは到底思えませんでした。西島秀俊さんの熱演と、雰囲気のある演出で、強引にねじ伏せてますけど、僕には全く通じませんでした。

とにかく、僕には「殴られ屋」の物語と「映画愛」がうまく融合しているように見えず、単に「並べました」というだけにしか見えなかったのです。

残念ながら、僕の考える「映画愛」とは程遠い映画でした。