「悪の教典」('12) | Marc のぷーたろー日記

「悪の教典」('12)

サイコパスの高校教師による大量殺戮を描いた貴志祐介さんのホラー小説を三池崇史監督により映画化したバイオレンスサスペンス映画です。主演は伊藤英明さん、共演は二階堂ふみさん、染谷将太さん、林遣都さん、山田孝之さん、平岳大さん、吹越満さん他。

映画『悪の教典』公式サイト
Wikipedia「悪の教典」
原作感想

原作は、「世間の評価(?)」に対して僕にとっては穴だらけの手抜き作品にしか見えず、イマイチだったのですが、これだけ素っ頓狂な小説なら三池さんがぶっ飛んだ映画にしてくれてるんじゃないかという期待を持って観て来ました。


原作そのままじゃん。

確かに原作とは違うところは多々ありますし、原作に思い入れのある人なら「全然違う!!」と思うんでしょうが、原作にこれっぽっちも思い入れのない僕には、三池さんらしいぶっ飛んだ演出はあまりなく、原作の世界をそのまま映像化しただけという感じに映ったのです。

三池さんらしさは、変態セクハラ教師 (山田孝之くん) のキャラクターを原作とは全く違うコメディリリーフに改変しているところくらい。あとは原作のエピソードを適当にはしょって時間内にまとめたという印象です。

それでも、正直な感想を言えば、原作よりはだいぶマシに見えました。

原作の主人公は、緻密に計算しているようで、肝心なところは運任せ、しかも、そのような運任せのエピソードが何度も何度も出てくるので、主人公の間抜けさと、それをごまかすためのご都合主義にシラケてしまったのです。

ところが映画では、尺の都合上、運任せのエピソードがだいぶ削られたことで、主人公の悪魔性は薄らいだかもしれませんが、その分、主人公の間抜けさやご都合主義があまり気にならない程度に収まっていたので、さほどシラケずに観ることができたのです。もちろん、そうは言っても、そもそもご都合主義しかない話なので、突っ込みどころは満載ですけどね。

いずれにせよ、欧米人が好きそうなB級ブラック(ホラー)コメディには仕上がっていますが、あまり日本人にはウケないんじゃないかなぁという感じがします。大した攻防もないのでアクションは単調だし、観終わった後に不快感しか残りませんから。


関連記事