「あぜ道のダンディ」('11) | Marc のぷーたろー日記

「あぜ道のダンディ」('11)

あぜ道のダンディ [DVD]/光石研,森岡龍,吉永淳
¥3,990
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50歳のやもめ男が大学進学を前にした子供たちとの絆を取り戻そうと奮闘する姿を描いたコメディです。主演は光石研さん、共演は田口トモロヲさん、森岡龍さん、吉永淳さん、山本ひかるさん、染谷将太さん、綾野剛さん、螢雪次朗さん、藤原竜也さん、岩松了さん、西田尚美さん他。

Wikipedia「あぜ道のダンディ」


今やすっかり「名脇役」として数多くの作品に出演している光石研さんが、デビュー作以来、なんと33年ぶりに「主演」した映画ということでとっても興味があったのですが、ようやく観ることができました (^^)v



泣いた (ToT)

正直なことを言えば、前半は観ていて苦痛でした。プライドが高過ぎる上に、ダンディであろうとして空回りし続ける主人公の言動が、バカ過ぎて不快でしょうがなかったのです。

ところが観て行くうちに、その「ダメ具合」が徐々に愛すべきものに変わって行ったのです。恐らく、親をないがしろにしているように見えた息子と娘が、実は想像以上にしっかりしていて親を気遣っていることが見えて来たからでしょう。これだけ「ちゃんと」息子と娘が育っているというだけで、このダメ男は父親として充分に立派だと言えるわけですから。もちろん、はっきり言ってしまうと、子供たちの方がよっぽど「大人」ですし、亡くなった奥さんの育て方が良かっただけとも言えますけどね (^^;;;

男というのはとことんダメで弱い生き物だからこそ、「男らしさ」を求め、「ダンディでありたい」「カッコ良くありたい」と思うのであり、でも実際にそのように生きられる男なんてごくわずかで、多くの男はそうあろうとすればするほど滑稽に見えてしまうもの。

この主人公は本当にバカでカッコ悪くてみっともないんだけれど、それでも一生懸命「ダンディ」であろうと必死なところが可笑しくも切なく「泣き笑い」しちゃうんです。

最後の「男泣き」には観ているこっちも号泣しちゃいました (ToT)


まさに中年男の「やるせなさ」を代弁しているかのような映画なのですが、監督したのが1983年生まれの若手監督、石井裕也さんであるというのもビックリ (@o@)

ストーリーそのものは実は平凡で全てが予想通りにしか展開しないのですが、そんなオーソドックスな脚本を手堅く演出した石井監督の手腕に、改めて脱帽しました (^^)v