連続ドラマW「マグマ」('12) | Marc のぷーたろー日記

連続ドラマW「マグマ」('12)

日本における地熱発電事業の可能性をテーマとした真山仁さんの同名小説をドラマ化した作品です。主演は尾野真千子さん、共演は谷原章介さん、長塚京三さん、石黒賢さん、津田寛治さん、甲本雅裕さん、釈由美子さん、渡辺いっけいさん、大杉漣さん他。

WOWOW 連続ドラマW「マグマ」


タイムリーな題材で、難しいことを考えなければ、それなりに楽しめなくもないんですが、ちょっと「作り過ぎ」が鼻について仕方ありませんでした。

もっとストレートに、地熱発電の技術的な難しさや、何故これまで地熱発電が軽視されて来たのかといったポイントを前面に出したストーリーでも充分に面白くできるはずだし、そのほうが地熱発電というものの啓発という点でもドラマにした意味があったと思うのです。

それなのに、白血病だの、死に追いやられた父親の復讐だの、しかもその復讐が誤解による逆恨みだっただの、必要以上の「お涙ちょうだい」設定が、とにかく邪魔。そのせいで肝心の地熱発電がただの「背景」でしかなくなっていて、これなら「別に地熱発電じゃなくてもいいじゃん」というストーリーになっちゃっているのです。
そもそも、議員の息子と雑誌記者が揃って過去の疑獄事件の真相を「頑なに」隠そうとするのはどう考えても変だし、不自然。ドラマを盛り上げるための単なる「設定」でしかないです。
どこまで原作に忠実なのかは分かりませんが、今この時期にこの題材をドラマにして世の中に出すのであれば、こんな作り物めいたストーリーは不謹慎でしょう。