「テルマエ・ロマエ」('12) | Marc のぷーたろー日記

「テルマエ・ロマエ」('12)

ヤマザキマリさんによる、現代日本の風呂事情を古代ローマ人の視点で描くという異色の人気漫画を実写映画化した作品です。主演は阿部寛さん、共演は上戸彩さん、市村正親さん、北村一輝さん、宍戸開さん、勝矢さん、竹内力さん、笹野高史さん他。

映画『テルマエ・ロマエ』公式サイト
Wikipedia「テルマエ・ロマエ」


今年の初め、深夜にFLASHアニメで映像化したものを先に観て、なかなか面白かったので実写版も観て来ました (^^)

ただ、実はちょっと不安もあったんです。原作も少しだけ読んだことがありますが、原作の1話完結の短編だからこその面白さが、2時間近い映画の尺に合うんだろうかと思ったのです。

が、これがほとんど全く気になりませんでした (^^)v

映画オリジナルのキャラクターとして、原作者のヤマザキマリさんをモチーフにした漫画家志望の女性をヒロインとして登場させるとか、彼女が自分の経験を漫画にして終わるエンディングだとか、映画オリジナルの脚色は、さほど目新しいものではなく、むしろかなり平凡。

しかし、その奇をてらわない平凡な脚色のおかげで、原作のネタとしての面白さが損なわれることなく、却って際立ったような気がします。

そして何より、古代ローマを舞台にした様々な映画やドラマの撮影に使われた巨大セットを使ったシーンは、映画の大スクリーンにとても映えるので、これだけでも映画館で観る価値はあります。原作も、おバカな内容に対して妙にリアルなタッチの絵柄というギャップが独特のおかしみを生んでいましたが、この映画も、巨大セットなどの背景の壮大さや格調高さが同じギャップの面白さを生んでいるように思います。

また、いくら濃い顔とは言っても日本人が古代ローマ人を演じてもサブイだけだろうと思っていたのですが、これがほとんど気にならないくらい自然で、この「ネタがネタになっていない」ところも1周まわった面白さがあります。中でも、北村一輝さんは日本人の役を演じているよりもよっぽど自然に見えましたから (^^)

とにかく、ノーテンキでバカバカしい話ではあるんですが、日本人にとって当たり前の風呂文化を客観的に見るというのは日本人にとっても面白いし、この内容ならば海外の人にも観てもらいたいです。


ところで、オンドルは朝鮮民族のもののはずですが、知らない人がこの映画を観たら日本のものと誤解しそうで、それがちょっと気になります。


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