「源氏物語 千年の謎」('11) | Marc のぷーたろー日記

「源氏物語 千年の謎」('11)

紫式部の「源氏物語」を、何故紫式部が「源氏物語」を書かねばならなかったのかという謎を絡めて映像化した作品です。主演は生田斗真さん、共演は中谷美紀さん、東山紀之さん、窪塚洋介さん、真木よう子さん、多部未華子さん、田中麗奈さん他。

映画『源氏物語 千年の謎』公式サイト
Wikipedia「源氏物語 千年の謎」


「源氏物語」が大好きという、ただそれだけの理由で観てきました。


絢爛豪華な平安絵巻として、衣裳の美しさ、風景を含めた画面全体の色彩の美しさなどビジュアル面ではかなり楽しめました。

が、それだけ。


「千年の謎」と大げさなタイトルを付けていますが、謎と言っても、紫式部が時の権力者、藤原道長と男女の関係にあり、その道長をモデルに光源氏を描いたという非常に有名な「一説」に過ぎず、何ら新鮮味も面白味もないのです。「こんなもんだろうな」とは思っていましたが、それにしてもこの程度で「千年の謎」と言い切っちゃう厚顔さには呆れます。 第一、六条御息所に式部の情念を重ね合わせるなんて安易過ぎでしょう。

また、中谷美紀さんと東山紀之さん以外の出演者が、現代劇のようなセリフ回しなのも気になりましたし、セリフそのものも時代劇では不自然なものがあり、気になって仕方ありませんでした。このあたりは若い観客を意識して敢えて現代劇風にしているのかもしれませんが…。そもそも時代考証が素人から見ても変ですし。例えば、何故そこに「若い」安倍晴明が? とか (^^;;;

更に、主演の生田斗真くんの洋風な顔立ちがメイクや衣裳に全く合っておらず、そもそも何故生田くんを起用したのか疑問。もっと和風顔の若手俳優なんていくらでもいるのに。主演俳優というものは興行面を考えて決められるものではありますが、それにしてもここまで似合わない人を起用するとは…。

光源氏を巡る女たちを演じる女優も、ことごとく僕のイメージとは違っており、この映画の作り手の「源氏物語」の解釈は、完全に僕とは違うんだなということを確認しただけで終わりました。


とは言うものの、映像としての美しさを楽しめたのと、中谷美紀さんと東山紀之さんのハマりぶりだけは良かったので、観て損したということはありませんでした。