「愛・命〜新宿歌舞伎町駆け込み寺〜」('11) | Marc のぷーたろー日記

「愛・命〜新宿歌舞伎町駆け込み寺〜」('11)

悩みを抱えた人たちの「駆け込み寺」を作った玄秀盛さんの実体験を基にした人間ドラマです。主演は渡辺謙さん、共演は永作博美さん、南果歩さん、風吹ジュンさん、緒形直人さん、かたせ梨乃さん、市毛良枝さん、伊武雅刀さん他。

テレビ朝日「愛・命 ~新宿歌舞伎町駆け込み寺~」
Wikipedia「愛・命 ~新宿歌舞伎町駆け込み寺~」
Wikipedia「玄秀盛」


玄秀盛さんを題材にしたドラマとしては、高橋克実さんのドラマ初主演作となる「こちら新宿駆けこみ寺~泣き笑い玄さん奮闘記~」が2006年に放送されていますが、それ以来5年ぶりとなる映像化作品。

実際の玄さんは渡辺謙さんよりも高橋さんの方が似ているのですが、大スター渡辺謙さんがどういう風に演じるのか、高橋さんとちょっと比べてみたい気持ちもあって観てみました。


渡辺謙さんが主演と言うこともあって、画面の絵作りを含め、重厚感は相当に増しています。また、以前の高橋さん主演のドラマは、主人公よりも助けを求めて来る人々の物語が中心でしたが、今回のドラマは一貫して主人公の物語。特に、在日韓国人として生まれたという主人公の出自にかかわるエピソードを前面に出したストーリー構成になっています。更に、キレイごとで済まないNPO法人の運営の難しさを (わざとらしいですが、それなりに) 描いているのも重要なポイントでしょう。

ただ、物語を女性ジャーナリストの目線で描くのはともかく、主人公との恋愛を物語の主軸に置いているのは…。「愛」というものを描きたい意図はとてもとてもよく分かるんですけど、狙い過ぎ。そもそもこのジャーナリストは男である方が説得力があったはず。ここでかなり萎えてしまいました。演じる永作博美さんは好きな女優さんなんですけどね…。

終盤の震災のエピソードも、あまりの狙い過ぎな展開と演出にドン引きしちゃいました。


企画した渡辺謙さんを含め、作り手側の熱意はビシビシと伝わってきましたが、一貫して「狙い過ぎ」が鼻について、冷めた目でしか観られませんでした。この「狙い過ぎ」は原案者である玄秀盛さんの希望なのかもしれませんし、NPO法人の支援者を求めるためのPRビデオだと割り切って観ればいいんでしょうが、どうしても釈然としないものが残ります。